研究概要 |
本年度は、北海道拓殖銀行豊原支店(現サハリン州立美術館,1931ころ)、樺太庁部長官舎(現軍衛生研究所)、樺太庁博物館(現サハリン州立博物館、1937)、樺太庁会議室(現軍事法律事務所、1934)の4棟を実測調査し、基本図(平面図、立面図、断面図)を作成した。樺太庁部長官舎と樺太庁会議室は1:50の縮尺でそれぞれ3枚、7枚、北海道拓殖銀行豊原支店と樺太庁博物館は、1:100の縮尺で、それぞれ10枚、6枚の実測図を作成した。 樺太日日新聞に見られる市街地形成および建築活動に関しては、北海道大学附属図書館所蔵の昭和6年〜昭和17年1月までを閲覧し、都市の成長と市街地の形成過程に関するもの304件、市街地建築に関するもの271件、建物以外の建設活動に関するもの250件、製紙業等工場に関するもの251件、灯台12件、炭鉱関連28件、その他97件など、およそ1,213件の関連記事を採集し、データベース化を試行した。 サハリンにおける歴史的建造物の保護規定については、膨大な資料であるとのことで提供は受けられなかったが、保護規定に関する基本的事項については、博物館学芸主任Igor Samarin氏から聞き取り調査することができた。
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