研究概要 |
本研究の成果は、以下の点にまとめられる。 1)日本期の歴史的建造物から、旧北海道拓殖銀行豊原支店(現サハリン州立美術館、1930)、旧樺太庁博物館(現サハリン州立博物館、1937)、旧樺太庁会議室(現軍検察庁事務所、1934)、旧豊原町役場(現事務所ビル、1928)、旧樺太庁部長官舎(現獣医学研究所、1924)、旧王子製紙豊原工場硫黄倉庫(現木工工場、1925ころ)の6件の建造物を実測調査し、それぞれ、8枚、11枚、9枚、6枚、9枚、4枚、合計47枚の実測図を作成し、沿革調査及び史的評価を行なった。 2)日本期の現存7灯台のうち、これまで未調査の旧宗仁岬(Kuznetsova)灯台、旧中知床岬(Aniva)灯台および旧札塔(Yuzhnoye)無線電信所・吏員退息所(1939)の現況調査を実施した。特に旧中知床岬灯台は、戦後初の日本人による調査であった。 3)「樺太日日新聞」に見られる市街地形成および建設活動に関しては、関連記事を2,372件集した。これらを、1)都市の成長と市街動向、2)市街地整備事業と関連諸施設、3)製紙工場等の立地とその影響、4)建築活動に分類し、記事をエクセルデータとして整理した。同記事には、灯台や鉄道関連施設、鉱山施設関連の近代化遺産関連の記事も見られ、あわせて収集分析を実施することができた。
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