研究課題/領域番号 |
16404022
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
赤川 敏 北海道大学, 大学院工学研究科, 特任教授 (90360932)
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研究分担者 |
蟹江 俊仁 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (10332470)
福田 正巳 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (70002160)
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キーワード | 永久凍土 / チルドガスパイプライン / 天然ガス漏洩 / 世界標準 / 地球温暖化 |
研究概要 |
1)フェアバンクスにおける実大実験の補足調査 ・平成11年度から15年度秋までの冷却実験(JSTの事業)後冷却を止めパイプ周りに成長したフロストバルブを自然融解させ、パイプおよび周囲地盤の挙動を計測した(財源不足のため北大が黄金を提供しアラスカ大と共同して実施)。 ・この間の地盤温度環境、パイプラインの融解沈下挙動等に関するデータを収録した(現在解析中)。 2)フェアバンクスにおけるワークショップの開催 ・平成17年度までのロシアおよび北米における調査の結果、永久凍土地帯における天然ガスパイプラインに対する要求品質が両者で大きく乖離していることが分かった。 ・ロシア側の要求品質は欧米の許容範囲を大きく逸脱した大変危険な状態を許容し、潜在的な輸入国としての日本の要求する品質をも大きく下回っているため、ロシアの要求品質に関する考えを欧米並みに引き上げる必要を痛感した。 ・このため、当初の予定どおりロシアのエンジニアをアラスカに招聘し、石油パイプラインではあるが既往のパイプラインであるトランスアラスカパイプライン(アリエスカパイプライン)の品質を見学させ、またその品質の重要性をディスカッションするワークショップを開催した ・このワークショップはアラスカ大学フェアバンクス校にて平成18年10月1日から4日の日程で実施した。 ・当初はロシアの研究協力者とNadymGazpromのエンジニア3名を招聘し、欧米の数名のエンジニアおよび研究者と我々による小規模のワークショップを計画し、永久凍土地帯のガスパイプラインの世界標準構築を目指した。 ・実際には欧米の石油メジャーおよびロシアのGazprom(ロシア最大企業)が注目し、総勢87名(米国59名、ロシア17名、日本6名、カナダ3名、英国および韓国から各1名)という大規模なものとなった。 ・ワークショップではロシアでの不具合事例をGazpromから、米国の石油パイプラインの要求品質とその実現方法を米国のエンジニアから、ガスパイプラインの要求品質とその実現方法と今後の課題を日本から発表し、相互の理解を深めた。 ・結果として、2年後にロシアで2回目の会議を行うという提案があり採択され、またロシアにおける実際のガスパイプラインによる研究協力の依頼を受けた。 ・しかしながら、ロシアおよび欧米の参加者が巨大企業である点から、両者の舵取りをしながら研究を進める困難さを考慮すると、大学のみで対応し難いと予想され、現在今後の対応に苦慮している。
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