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2004 年度 実績報告書

低地フタバガキ林における生物の長期変動:一斉開花は多様性を促進するのか?

研究課題

研究課題/領域番号 16405006
研究種目

基盤研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

酒井 章子  京都大学, 生態学研究センター, 助教授 (30361306)

研究分担者 市岡 孝朗  京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (40252283)
キーワード熱帯雨林 / 送粉 / 生物多様性 / ランビル国立公園 / 林冠 / フタバガキ / 植食者 / 種間相互作用
研究概要

東南アジア島嶼部では、一斉開花(群集規模で生じる多数の樹種の開花期の同調)が数年間隔で不規則に生じる。このように不規則で予測性の低い頻度で生じる資源量の変化に対して、訪花性の昆虫がどのように反応するのか、多様性がどのように維持されているのかは興味深い問題である。本研究では植食者や送粉者をターゲットに資源変動と多様性の関係について調査をおこなってきた。
フタバガキ科のなかでも種数が多いサラノキ属(Shorea)は多くの樹種が一斉開花に同調する。これまでの研究から、ハムシがそれらのサラノキ属数種に訪花することが明らかにされた。訪花性ハムシ類は、一斉開花のような急激な資源量の増加に対してどのように反応するのかを明らかにするために、長期間にわたっておこなわれた灯火採集によって集めたハムシを用い、訪花性ハムシを中心にハムシ科数種の長期的な個体数変動の把握を試みた。その結果、訪花性ハムシ数種では非開花期においても出現が確認され、さらに、そのうち数種が一斉開花に同調しない樹種の花上やサラノキ属の新葉上で観察された。これらにより、そうしたハムシは非一斉開花期においてはそれと無関係に咲く花や新葉などを利用し個体群を維持していると考えられた。また、訪花昆虫の観察から、サラノキ属の種の送粉者としてのハムシへの依存度は種によって異なることがわかった。これらの結果から、資源変動は種の多様性の維持に寄与していると考えられるが、そのメカニズムを詳しく探るためには、今後ハムシの個体群動態を制御するメカニズムや生活史についての理解を深めていく必要がある。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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