研究課題/領域番号 |
16405013
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 元己 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (00193524)
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研究分担者 |
青木 誠志郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (10334301)
渡辺 邦秋 神戸大学, 理学部, 教授 (80031376)
加藤 英寿 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50305413)
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キーワード | ニュージーランド / 種分化 / Celmisia |
研究概要 |
本年度は10月にLandcare Researchを訪問、標本調査と研究打合わせを行った。12月には南島にて、野外調査を行い、キク科Celmisia属の観察および試料採集を行った。採集したCelmisia属植物約50種について、DNA抽出を行い、種分化様式や種分化過程を明らかにするため、分子系統解析を行った。本年度は葉緑体DNAのtrnL-trnF遺伝子間領域と核DNAのITS領域をPCR法により増幅し、塩基配列を決定した。その結果、葉緑体DNAのtrnL-trnF遺伝子間領域では種間での塩基配列の変異が見られなかった。葉緑体DNAの進化速度は比較的遅いものの、非コード領域に変異がないことは、ニュージーランドにおいてのCelmisia属の種分化は比較的新しい時代に起きたことを示唆している。一方、核DNAのITS領域においては種間での塩基配列に変異が見られ、その塩基配列を基にして分子系藤樹を作成した。近縁属のOlearia属やシオン連のニュージーランド固有属を含めて系藤樹を作成した結果、1)Celmisia属は2つの大きなクレードに分かれる、2)Celmisia属はシオン連のニュージーランド固有属とともにOlearia属の内群となることが明らかになった。Celmisia属の大クレード、シオン連のニュージーランド固有属、Olearia属の数種の間の関係は今回の解析で明らかにできなかったが、Celmisia属が多系統である可能性が示唆された。
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