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2006 年度 実績報告書

ニュージーランドにおける植物の適応放散的種分化の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16405013
研究機関東京大学

研究代表者

伊藤 元己  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00193524)

研究分担者 青木 誠志郎  東京大学, 大学院総合文化研究科, 産学官連携研究員 (10334301)
坂山 俊英  東京大学, 大学院総合文化研究科, 助手 (60391108)
加藤 英寿  首都大学東京, 大学院・理学研究科, 助手 (50305413)
キーワードニュージーランド / 適応放散 / 高山植物 / Celmisia / コケシノブ科
研究概要

適応放散的種分化とは、単一祖先から、周辺のさまざまな環境に適応し、形態や生態学的特徴が分化した種が進化していく現象を指す。この現象は通常、比較的短時間で起こり、少数の突然変異による遺伝的変化によって、大きな形態、生態、生理形質の分化が生じたと推定されるため、種分化のモデル系として注目されている。適応放散的種分化は通常、大洋島など、新たな生育地が形成された場合に起こる。本研究の対象地域に選んだニュージーランドは大陸から離れた太平洋上に位置する。また、高緯度に位置するため、特に南島は氷河期には大部分が氷河に覆われていたと考えられる。このような環境から、氷期以後に大きな裸地が形成され、その結果、大規模な適応放散が数多くの生物群で起きている。本研究では、ニュージーランドにおいて大規模適応放散を起こしている被子植物数群において、種間や集団間の、1)詳細な系統解析、2)集団遺伝学的特性の解析、3)細胞学的解析、4)生態学的特性の比較を通して、適応放散的種分化過程の詳細とその種分化機構の解明を行う。
本年度は、これまでの成果から不足している材料の解析、研究のまとめを行った。キク科のCelmisia属、シダ植物コケシノブ科の植物において、最終的な分子系統樹を作成し、その分子系統樹に基づいてニュージーランドへの他地域からの侵入およびニュージーランド内での種分化ののちの他地域への移入過程についての考察を行った。その結果、Celmisia属植物では、オーストラリアからの祖先種のニュージーランドへの侵入後、大規模な適応放散がおき、その中の一系統が再びオーストラリアに移動して小規模な適応放散が生じていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] A taxonomic revision of Hymenophyllaceae2006

    • 著者名/発表者名
      Ebihara, A, Dubuisson, J.Y., Iwatsuki, K., Hennequin, S, Ito, M
    • 雑誌名

      Blumea 50・3

      ページ: 221-280

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Tsuchimatsu, T., Sakai, S., and Ito, M.2006

    • 著者名/発表者名
      Tsuchimatsu, T., Sakai, S., Ito, M
    • 雑誌名

      Evol. Ecol. Res. 8

      ページ: 829-842

  • [図書] In Ozaki, K. et al. eds., Galling Arthropods and Their Associates : Ecology and Evolution2006

    • 著者名/発表者名
      Kato, T., Yoshitake, H., Ito, M
    • 総ページ数
      297-305
    • 出版者
      Phylogenetic Position of the Genus Wagnerinus Korotyaev (Coleoptera : Curculionidae) Associated with Galls Induced by Asphondylia baca Monzen (Diptera : Cecidomyiidae).

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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