研究課題/領域番号 |
16405022
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高藤 晃雄 京都大学, 農学研究科, 教授 (50026598)
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研究分担者 |
日本 典秀 農業生物資源研究所, 昆虫適応遺伝グループ, 主任研究官 (80370675)
後藤 哲雄 茨城大学, 農学部, 教授 (60178449)
天野 洋 千葉大学, 園芸学部, 教授 (00143264)
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キーワード | ナミハダニ / カンザワハダニ / 休眠性 / COI / 遺伝的分化 / 分布拡大 |
研究概要 |
1)昨年度までに行った実験室内における休眠誘起実験から、台湾のカンザワハダニの休眠性には個体群間に遺伝的な変異が大きく、また亜熱帯であるにもかかわらず休眠性の強い個体群も存在することが示された。そこで、2004及び2005年、休眠期にあたる12月に台湾中西部の南投縣の茶園及びキャッサバ園に発生する個体群について、令構成及び雌成虫の休眠状態を現地で調べた。その結果、実験室内での誘起実験から得られる休眠率と野外での休眠発現率には相関が見られた。ただ、遺伝的には高い休眠性を有していても、野外での休眠発現率はかなり低く、冬期でもすべてのステージが存在し、発育・増殖が継続していた。2)2004年にベトナム・ハノイおよび2005年に中国山東省周辺の農業生態系から採集したTetranychus属ハダニを、ミトコンドリアCOI遺伝子の塩基配列を用いたDNAバーコード法によって同定し、種構成を調べた。その結果、両地からナミハダニ、イシイナミハダニ、カンザワハダニなどが認められ、ハノイ周辺からはカンザワハダニが、山東省からはイシイナミハダニが最も多くを占めていた。ベトナムで採集されたカンザワハダニの塩基配列を調べたところ、その変異はきわめて小さく、また分子系統樹から、ベトナムへの本種の侵入は比較的最近であることが示唆された。
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