研究概要 |
インドネシア: インドネシア政府が300万ヘクタールの目標を掲げて2003年から開始した包括的な植林プログラム(GNRHL)のうち,国有林外を対象としたプログラムについて,その実施プロセスおよび現場の応答を事例調査によって明らかにした。人口密度の相違をもとに選んだ調査地の結果によると,人口稠密な中ジャワ州では,プログラムの意図する団地状に用地を確保することは困難であり,成林の可能性については疑問が残った。一方南スマトラ州では植栽樹種にゴムを用いており,焼畑跡地や移住政策の農地が用地に選ばれ,植林本来のリハビリテーションよりはむしろ,ゴム園への転換という機能を果たしていた。 ブラジル: ブラジルではこれまで、政府などの公的部門が財政的な支援を通じて農家造林を促進することは少なかった。1986年に始まる造林協会の活動は、農家造林を促進させることに成功している。この造林事業の特徴は、造林協会という民間の非営利組織が木材消費業者と農家を結びつけることで、森林の利用から再生に至る一連のプロセスを循環的に構築していることである。この用の協会の活動は現在、州政府の造林政策の一翼を担うほどになっており、途上国における持続可能な森林資源管理に向けたモデルの一つである。
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