研究課題/領域番号 |
16405026
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
林学・森林工学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
餅田 治之 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (80282317)
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研究分担者 |
永木 正和 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (90003144)
増田 美砂 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (70192747)
山田 祐彰 東京農工大学, 農学部, 助手 (60323755)
佐々木 太郎 名古屋大学, 農学国際教育協力研究センター, 講師 (10397474)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | ブラジル / インドネシア / 造林協会 / 造林基金 / 農民的造林 / 政府主導植林プログラム / 民有林 |
研究概要 |
ブラジルでは1980年代半ば以降、木材生産量の増加を目的とした農家造林支援活動が活発化した。その中心が造林協会と呼ばれる民間非営利組織である。本研究では、サンパウロ州北部で1990年から活動しているパルドグランデ造林協会について、その資構成・活動内容の概観をするとともに、造林・木材生産・資金の有効利用度などの観点から協会活動の評価を行った。その結果、資金源となる造林税の徴収率低下という事態に直面しつつも、造林協会による活動は、木材消費業者が消費した木材量のほぼすべてを造林の形で回復させていることがわかった。また、地域における木材市場への影響という点では、薪市場に関して言えば、地域全体の3分の1程度を占めているということが推定された。また、造林協会による農家への造林支援活動は、牧草地から林地への土地利用の転換を促すとともに、農家の林業収益の拡大に貢献し、さらに農家の中には造林協会の支援が呼び水となって、独自で造林を実施するようになった者も出現し始めたことが確認された。 インドネシアについては、2003年に開始したインドネシア政府の植林プログラムについて、どのような地理的条件の下で、どのような世帯がそのプログラムに参加し、民有林の創設に貢献したかを明らかにした。研究は人口密度の高い中ジャワ州の3村を対象とした。その結果、相対的に農業条件の不利なこの地域では、州都に近い平地か山地かという村レベルでの相違は、植林の実施過程や人々の選択に対する規定要因とならないことがわかった。有意な相関は、世帯レベルにおける農外収入の有無と参加動機、および参加動機と苗木の配置に見出された。民有林創出の担い手は、植林すること自体を動機として参加し、実施計画書の示すとおりの方法で苗木を植栽する世帯であることがわかった。この結果から、より有効的に民有林を創出するには、過剰に与えられる動機を削ることによって植林自体を目的としない世帯を除くべきであるとの結論が得られた。
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