研究課題/領域番号 |
16405027
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研究機関 | 独立行政法人森林総合研究所 |
研究代表者 |
清野 嘉之 独立行政法人森林総合研究所, 植物生態研究領域, 領域長 (10353666)
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研究分担者 |
佐藤 保 独立行政法人森林総合研究所, 森林植生研究領域, 主任研究官 (20353708)
太田 誠一 京都大学, 農学研究科, 教授 (10346033)
神崎 護 京都大学, 農学研究科, 助教授 (70183291)
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キーワード | 土地利用 / Schima wallichii / pyrophyte / 炭素蓄積 / 繁殖生態 / バイオマス / 生物多様性 / インドネシア |
研究概要 |
1 当年度の研究目的 土地利用とSchima wallichiiの分布拡大過程の調査を行う。Schimaの樹種特性の苗畑試験を継続し、耐火性樹林の炭素貯留機能のための炭素量調査を行う。 2 当年度の試験研究方法 南スマトラでSchimaの生態学的・社会学的調査計画を作成する。発芽間もないSchimaの生育特性を解析する。被陰程度を変えた試験苗畑を完成させる。アカシアマンギウム植林に混生するSchimaについて地上部重量を調査する。スンバ島東部でチーク、ギンネム植林、放牧地や焼畑跡の低木群落のバイオマスなどを調べる。これらをインドネシアの大学、企業、科学行政機関、NGOと共同で実施する。 3 当年度の研究成果 南スマトラで、低地林域の焼畑サイクルがSchimaの生育適地を提供している、天然林開墾からの年数、施業方法や火災等の攪乱履歴が現在のSchimaの生育場所を規定しているなどの仮説を設け、定着や成長に適した環境、そうした環境をもたらす土地利用、Schima資源利用などを、天然林消失が植民地時代、独立から1970年頃まで、1970年以降の地域を選んで調査することとした。 被陰程度を3段階に変えた散水装置付き試験苗畑を完成させた。Schimaは生育初期に光合成産物を地下部に多く配分していること、本葉が出たばかりでも萌芽能力があることなどを明らかにしつつある。 アカシアと混生するSchimaの個体地上部重量と胸高直径との間にべき乗式が成立すること、二次林のSchimaと比較して直径の割りに軽いことを確認した。スンバ島のチーク植林のバイオマスは年降水量が約500mmの土地で144と142Mg ha-1、1000〜1500mmの土地で211と131Mg ha-1であった。年降水量が500mmしかなくても、集水地など地形を選べば、植林木に比較的良い成長を期待できることが分かった。
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