研究課題
基盤研究(B)
耐火性樹木の優占林の分布をインドネシアの7州と北部ラオスで調査した。優占林は、最近まで一次林に覆われていたり、長く草原化していたところでは少なく、森林の分断化が進んで草原とモザイク状になっていたところで多かった。ロジットモデルから、代表的な耐火性樹木であるSchima wallichiiが、原植生の破壊後の経過時間とともに存在確率が高まり、攪乱開始後150年ほど経つと確率が100%に達することを予測した。Schima wallichiiは種子散布力から見て、新たな攪乱地への侵出には長時間を要するが、侵入すると、高い萌芽能力や旺盛な成長により、撹乱の多い二次植生でよく生残するのだと考えられる。このSchima wallichiiはAcacia mangiumやTrema orientalisと比較して生育初期から光合成産物を地下部に多く配分しており、それにより萌芽能力を高めていると考えられる。また、耐火性樹林のバイオマスMAI(総平均成長量)は3.26-10.62Mgha-1y-1の範囲内にあり、同じ気候下の非早生樹の植林地バイオマスMAI範囲(1.90-18.80Mg ha-1y-1)と大きな違いはなかった。耐火性樹木の多くは萌芽により再生でき、その性質が耐火性樹林の速やかなバイオマスの増加を可能にしていると考えられる。このほか、Schima wallichiiはAcacia mangium人工林に侵入した個体はAcaciaの皆伐跡地で皆伐季節によらず、よく萌芽更新することや、短い乾季をもつ低地(ランプン州)に群生地が隔離分布していることを明らかにした。本種の侵入・定着に関わる生態学的メカニズムの解明をさらに進めるには、明瞭な乾季をもつ地域を含む地域比較が有益であると考えられた。
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