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2006 年度 実績報告書

オルタナティブ・トレードの普及可能性と消費者責任に関する比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 16405029
研究機関近畿大学

研究代表者

池上 甲一  近畿大学, 農学部, 教授 (90176082)

研究分担者 小野 征一郎  近畿大学, 農学部, 教授 (40017075)
山尾 政博  広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 教授 (70201829)
榎 彰徳  近畿大学, 農学部, 助教授 (40122022)
前潟 光弘  近畿大学, 農学部, 助教授 (10268451)
鶴田 格  近畿大学, 農学部, 講師 (60340767)
キーワードオルタナティブ・トレード / フェアトレード / 南北問題 / コーヒー貿易 / 水産物貿易 / 社会的責任 / 消費者責任
研究概要

本年度は、オルタナティブ・トレードに関する実態調査と消費者の消費行動に関する意識調査結果を分析し、その成果に基づいてタイ国・バンコク市カセサート大学において中間的な総括のための国際ワークショップを開催した。実態調査については、南アフリカのプランテーション労働者を受益対象とするフェアトレード、タイ北部の山岳少数民族及びグアテマラの先住民が生産しているフェアトレード・コーヒーの調査を行ったほか、タイと台湾の果実の輸出構造に関する調査を行った。
消費者意識調査の分析数は計978人(うちフランス119)に及んだ。本調査は日本だけでなく、国際比較が可能な調査としても最初のものである。分析の結果、何よりも日本におけるフェアトレードの認知率の著しい低さ、社会的な消費責任意識の希薄さが浮き彫りになった。今後、調査国数を増やし、その要因をより明確に解明しなければならない。
国際ワークショップは"Perspectives of Alternative Commodities Chain : Production, Trade and Consumption"をテーマとした。参加者数は21人、うち外国人研究者及び実務者9人(京都大学・池野科研チームからの1名を含む)、報告数は11本だった。報告及び討議の中で得られたいくつかの知見を挙げると、第1に東アジア、東南アジアが農水産物貿易の巨大なセンターを形成しつつあるという意味で、南北問題の構図が劇的に転換しつつある。第2に、他方でアフリカはますます周縁化しつつあり、従来の市場メカニズムでこの傾向を押しとどめることはきわめて難しい。第3に、ここにオルタナティブ・トレードの意義があるものの、その効果及び成果については判断が分かれている。第4に、オルタナティブ・トレードの担い手として協同組合セクターの役割が大きいのではないか。その期待を実現するための条件を検討する必要がある。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (15件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Features and challenges of Fair Trade Movement in Jpan.2006

    • 著者名/発表者名
      Koichi Ikegami, Mitsuru Uyama
    • 雑誌名

      PEKEA, On-line paper (http://fr.pekea-fr.org/Dakar/D-T/T-D-Ikegami.doc)

      ページ: 13

  • [雑誌論文] Crucial factors of development of group farming after land reform in South Africa2006

    • 著者名/発表者名
      Sachiyo Haneda, Koichi Ikegami
    • 雑誌名

      PEKEA, On-line paper (http://fr.pekea-fr.org/Dakar/D-T/T-D-Haneda.doc)

      ページ: 8

  • [雑誌論文] 漁村と農村の資源利用-コモンズの理解をめぐって-2006

    • 著者名/発表者名
      池上 甲一
    • 雑誌名

      日本の水産業を考える-復興への道-(成山堂書店)(倉田亨編著)

      ページ: 77-91

  • [雑誌論文] フェアトレードは新しいフードシステムを生み出すか2006

    • 著者名/発表者名
      池上 甲一
    • 雑誌名

      フードポリティクス 食と農の国際政治を問う(『農業と経済』臨時増刊合)

      ページ: 124-134

  • [雑誌論文] マグロのフードシステム2006

    • 著者名/発表者名
      小野 征一郎
    • 雑誌名

      マグロのフードシステム(農林統計協会)(小野 征一郎編著)

      ページ: 1-18

  • [雑誌論文] 水産政策の転換2006

    • 著者名/発表者名
      小野 征一郎
    • 雑誌名

      日本の水産業を考える-復興への道-(成山堂書店)(倉田亨編著)

      ページ: 28-53

  • [雑誌論文] 東南アジアの沿岸域資源管理と地域漁業-Community-based Resource Managementを超えて-2006

    • 著者名/発表者名
      山尾 政博
    • 雑誌名

      地域漁業研究 46-2

      ページ: 1-22

  • [雑誌論文] 東アジア巨大水産物市場圏の形成と水産物貿易2006

    • 著者名/発表者名
      山尾 政博
    • 雑誌名

      漁業経済研究 51-2(印刷中)

  • [雑誌論文] 東南アジア漁業の持続的発展と住民参加型組織の展望2006

    • 著者名/発表者名
      山尾 政博
    • 雑誌名

      協働組合研究 24-3

      ページ: 202-217

  • [雑誌論文] インターネットを利用する水産物販売の利点と課題2006

    • 著者名/発表者名
      榎 彰徳
    • 雑誌名

      養殖 43-10

      ページ: 14-17

  • [雑誌論文] 沿岸漁業の再生-小型底曳網漁業を事例として2006

    • 著者名/発表者名
      前潟 光弘
    • 雑誌名

      日本の水産業を考える-復興への道-(成山堂書店)(倉田享編著)

      ページ: 127-140

  • [雑誌論文] African Imaginations of Moral Economy2006

    • 著者名/発表者名
      Tadasu Tsuruta.
    • 雑誌名

      Airican Studies Quarterly 9-1,2(In print)

  • [雑誌論文] タンザニアの政治経済思想に関する社会言語学的考察2006

    • 著者名/発表者名
      鶴田 格
    • 雑誌名

      アフリカ&スワヒリ研究(大阪外国語大学)

      ページ: 58-75

  • [雑誌論文] (流通のIT化)ICタグ2006

    • 著者名/発表者名
      津國 実
    • 雑誌名

      日本流通学会編『現代流通事典』白桃書房(加藤義忠監修)

      ページ: 314-315

  • [雑誌論文] サンゴ礁の科学とその保全に関する国際的な取り組み(1)2006

    • 著者名/発表者名
      住谷保治, ジン・タナンゴナン
    • 雑誌名

      環境管理技術 24-5

      ページ: 33-50

  • [図書] 『むらの資源を研究する-フィールドからの発想』-2007

    • 著者名/発表者名
      池上 甲一(責任編集)
    • 出版者
      農山漁村文化協会

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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