研究課題
タイ王国東北部を中心とする天水稲作地帯での農家レベルでの稲作技術の実態を明らかにしながら、乾田直播栽培の生産性改善のために、ウボンラチャタニ市周辺の水田の実態調査、稲作技術・栽培の聞き取り調査、研究所内での圃場試験、農家圃場での参加型試験を行った。研究所内の試験の解析から、直播栽培への品種の適応性に関して、生育後期の旱魃が起こる場合は、晩生品種での減収程度が大きい点に関しては、移植栽培と同様であったが、良好な環境条件では、移植栽培に比べて、早生や中生品種の中には、高い乾物生産力の品種があることを示した。また、タイ王国東北部との比較をするために、カンボジアでも、雑草管理、品種・栽植方法・水管理を変えて調査し、直播栽培での雑草管理の重要性を示し、品種の早晩性と草型によっても雑草抑制力が大きく異なることを確認した。また、天水田の生産の安定化を意識しながら日本で行った試験を解析して以下の知見を得た。まず、栽植密度(11-44株/m^2)の影響は、日本の非湛水条件では小さいことを示した。次に、陸稲と水稲を親にする組み換え近交系98系統を用いて、本田が湛水、非湛水、苗が通常、断根処理の組み合わせの4通りの条件で、非湛水条件に対する生育と生産を解析した。非湛水条件下での活着の速さや、その後の乾物生産には遺伝的変異があり、量的遺伝子座を同定するとともに、活着の速さが最終的な乾物重に影響を及ぼすのは、断根処理をした苗を非湛水田に移植した場合のみであることを示した。
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