| 研究概要 |
ミャンマーにおける調査
マンダレー(Mandalay),タウンジィ(Taung-gyi),ビンダヤ(Vindaya)の伝統医療を実施している医師,診療所を訪問し,聞き取り調査をした。特に,Cow Urine(牛の尿)を生薬と混ぜ発酵させたものを用いた病気の予防や治療効果ならびに製造方法について詳しく調査した。また,伝統薬物の製薬所,薬店,生薬間屋を訪ね,使用している天然薬物を調査・蒐集した。
ベトナムにおける調査
ラオカイ(Lao cai),サパ(Sapa),ディエンビン(Dienbien),ナムディン(Nam Dinh)の伝統医師,薬店,生薬の栽培地を訪ね,インタビュー等の調査を行ない,使用している約150種の生薬を入手した。特にサパでは,非常に貴重な薬草である三七人参の自然栽培地を見学することが出来た。林床半日陰の北面傾斜地(高度約1600m)に栽培されていた。小葉は7枚あるが根茎はトチバニンジン(竹節人参)に類似し,茎の瘍跡から11年以上の古い三七人参であった。また,三七人参とは種が異なる「羽葉三七」と考えられる非常に珍しい半野生的な栽培品も栽培されていた。これらの貴重な三七人参および羽葉三七を御好意により採取することが出来た。
インドネシアにおける調査
スラバヤ(Surabaya),マドゥラ(Madura),シンガラシャ(Singaraja)のジャムウ伝統医の聞き取り調査ならびに実際に使用している薬用植物やジャムウ薬物作製法,治療方法等の情報を詳しく調査した。
日本での研究
各国で採集した生薬について,in vitroならびにin vivoで抗マラリア,痛風に有効な活性成分の構造を解析し,論文として纏め報告した。また,フィールド調査について,ニュースレターとして纏め報文とした。
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