研究課題/領域番号 |
16406006
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
蓮井 和久 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70198703)
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研究分担者 |
米澤 傑 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10175002)
出雲 周二 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30143811)
神崎 保 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80118801)
松山 隆美 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30145479)
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キーワード | 鼻NK / T細胞性リンパ腫 / Apoptosisの免疫組織化学的検索方法 / 組織幹細胞の免疫組織化学的検出 / 超高感度免疫組織化学的染色方法 / 中国の皮膚リンパ腫 / CD30陽性皮膚リンパ球増殖性疾患 |
研究概要 |
1.中国の鼻NK/T細胞性リンパ腫における細胞増殖、幹細胞との関係、細胞死の検索方法を、臨床研究の倫理審査を受けて、担癌胃の正常粘膜・非担癌胃の生検標本の免疫組織化学にて模索した結果、Ki67抗原による増殖細胞の標識、CD117により組織幹細胞の標識、cleaved caspase-3によるapoptosis細胞の標識、beclin-1による自己貪食・自己貪食細胞死の超高感度標識が有用な方法であることが判明した。 2.鼻NK/T細胞性リンパ腫における壊死病変を、上記の方法と過酸化物受容体陽性マクロファージ(CD204陽性)の標識により検討し、CD204陽性マクロファージの多さに対して、cleavedcaspase-3で標識されるapoptosisは少なく、beclin-1の超高感度染色で鼻NK細胞性リンパ腫細胞が標識され、鼻NK/T細胞性リンパ腫では自己貪食の亢進が示唆された。 3.T細胞受容体(TCR)の膜貫通型アダプター蛋白(LAT)の発現を鼻NK細胞性リンパ腫で検討して、その発現は細胞質CD3発現と同様のものであることが示唆された。 4.2001年からの約5年間に、中国医科大学大学附属病院(中国、瀋陽)で鼻咽頭部の腫瘍として病理生検された599例の中に、鼻咽頭癌は456例、NK/T細胞リンパ腫は84例、B細胞リンパ腫は35例、リンパ腫細胞を確認できなかったのは19例、免疫組織化学的検索なしは5例であった。NK/T細胞リンパ腫の25例とB細胞リンパ腫の17例に観察された上皮は、3例と2例で高度異型を、4例と3例で軽度異型を示し、NK/T細胞リンパ腫とB細胞リンパ腫の背景の上皮の異形成の出現頻度に明らかな差が見られなかった。 5.中国の皮膚リンパ腫14例の検索を行い、NK/T細胞性ないし細胞傷害性T細胞性リンパ腫は少なく、CD30陽性皮膚原発リンパ増殖病変が多いことが示唆された。
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