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2006 年度 研究成果報告書概要

スリランカにおける非定型的リーシュマニア症に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16406007
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分海外学術
研究分野 寄生虫学(含衛生動物学)
研究機関東京大学

研究代表者

松本 芳嗣  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (00173922)

研究分担者 松本 安喜  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (90251420)
吾妻 健  高知大学, 医学部, 教授 (40117031)
研究期間 (年度) 2004 – 2006
キーワードスリランカ / リーシュマニア症 / 皮膚型リーシュマニア症 / サシチョウバエ
研究概要

スリランカはこれまでリーシュマニア症の浸淫地とは考えられていなかったが、本研究により内臓型リーシュマニア症の病原種とされているLeishmania donovani s.l.による皮膚型リーシュマニア症がスリランカにおいて浸淫していることが明らかとなった。1.NNN培養法あるいは皮膚生検材料の塗抹標本により原虫を検出することにより確定診断を行った。病変は顔、手、足の皮膚露出部に多く、直径5~20mm程度の水泡状あるいは結節状の丘疹が多く、丘疹中央部に潰瘍を認める場合もあった。内臓型リーシュマニア症の診断に有用なrK39抗原を用いたディップスティック法では全ての患者が陰性を示した。2.分離された原虫のミニエクソン遺伝子、アクチン遺伝子について一部塩基配列を決定し既知のL.donovani, L.major等8種のリファレンス株と比較解析を行った。その結果ミニエクソン遺伝子の解析では、L.donovaniとPCR産物の泳動パターンが一致した。アクチン遺伝子の解析では946塩基中、スリランカ株はL.majorとは34塩基異なるのに対し、内臓型リーシュマニア症の病原種とされるL.donovani, L.infantum, L.chagasiとは0~4塩基のみ異なった。以上の結果よりスリランカにおける皮膚型リーシュマニア症の病原種はL.donovani s.l.であることが示唆された。3.媒介昆虫の探索のためサシチョウバエの分布調査を行った結果Phlebotomus argentipes及びP.stantoniの存在が明らかとなった。インドにおいてP.argentipesがL.donovani s.l.によるカラアザールの媒介昆虫として知られているため、P.argentipesが媒介昆虫候補種の一つであることが示唆された。本研究で得られた「L.donovani s.l.による皮膚型リーシュマニア症の浸淫」はスリランカだけで見られる特異な新規感染症であり、「L.donovani s.l.は内臓型リーシュマニア症の病原種である」とする従来の学説に修正を求めるものである。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (8件)

  • [雑誌論文] スリランカにおけるLeishmania donovani s.1.による皮膚型リーシュマニア症の保虫宿主の血清学的探索2008

    • 著者名/発表者名
      麻田正仁
    • 雑誌名

      獣医寄生虫学雑誌 6・2

      ページ: 126

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Adhesion of MRP8/14 to amastigotes in skin lesions of Leishmania major-infected mice.2008

    • 著者名/発表者名
      Yasuyuki Goto
    • 雑誌名

      Experimeatal parasitology 1191

      ページ: 80-86

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Ciliatamides A-C, Bioactive Lipopeptide from the Deep-Sea Sponge Aaptos ciliata2008

    • 著者名/発表者名
      Yoichi Nakao
    • 雑誌名

      Journal of Natural Products 71

      ページ: 469-472

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Serological tests for reservoir host surveillance on human cutaneous leishmaniasis caused by Leishmania donovani s.l. in Sri Lanka2008

    • 著者名/発表者名
      Masahito Asada
    • 雑誌名

      Japanese journal of veterinary parasitology 6-2

      ページ: 126

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] Adhesion of MRP8/14 to amastigotes in skin lesions of Leishmania major-infected mice.2008

    • 著者名/発表者名
      Yasuyuki Goto
    • 雑誌名

      Experimental parasitology 119-1

      ページ: 80-86

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] Ciliatamides A-C, Bioactive Lipopeptide from the Deep-Sea Sponge2008

    • 著者名/発表者名
      Yoichi Nakao
    • 雑誌名

      Journal of natural products 71

      ページ: 469-472

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] Accumulation of macrophages expressing MRP8 and MRP 14 in skin lesions during Leishmania major infection in BALB/c and RAG-2 knockout mice.2007

    • 著者名/発表者名
      Yasuyuki Goto
    • 雑誌名

      Parasitology international 56・3

      ページ: 231-239

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Accumulation of macrophages expressing MRP8 and MRP 14 in skin lesions during Leishmania major infection in BALB/c and RAG-2 knockout mice.2007

    • 著者名/発表者名
      Yasuyuki Goto
    • 雑誌名

      Parasitology international 56-3

      ページ: 231-234

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2011-06-18  

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