研究概要 |
Salmonella Typhimurium LT株からrpf遺伝子をcloningした。この遺伝子は、分泌蛋白でありVNCの状態からの復帰を促す事が知られるMicrococcus luteusのrpf遺伝子と24.2%のhomologyがあった。LT株由来のrpf遺伝子をin vitroで発現させてVNC状態のSalmonella Oranienburg株に添加したところ、dose-dependentにSalmonella Oranienburg株をVNC状態から復帰させた。Rpf遺伝子産物を用いる事により、食品や環境中に存在するVNC状態のSalmonella属菌の検出が可能になる(Panutdaporn N., Makino S.et al, Int.J.Food Microbiol 106:241-247,2005)。 1998年に日本で起きた塩ジャケによるEHEC O157:H7食中毒において、食品由来の菌株(F2株)は塩耐性であり、患者由来の菌株(P5株)は塩感受性であった。塩耐性のF2株をマウスでpassageすると、食塩及び酸化に対して感受性の菌株が生じ、これらの塩感受性分離菌は食塩及び酸化によるストレスで塩耐性になり、ピルビン酸により復帰した(Asakura H., Makino S.et al, FEMS Microbiol.Lett.253:243-249,2005)。
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