研究課題/領域番号 |
16406015
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
堀田 博 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40116249)
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研究分担者 |
長野 基子 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90304089)
定 清直 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10273765)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | B型肝炎ウイルス / C型肝炎ウイルス / 遺伝子多様性 / 変異株 / 発がんリスク / 原発性肝がん / インドネシア / 日本 |
研究概要 |
1.B型肝炎ウイルス(HBV)の解析:インドネシアのHBV株はすべて、S遺伝子領域塩基配列に基づいてgenotype Bに分類されたが、プレC/C遺伝子領域ではgenotype Cであり、この領域における遺伝子組換えに基づく特有のHBV株であると考えられた。これらのHBV株のプレC/C遺伝子領域がgenotype Cであることを特徴づける塩基配列は32ヵ所(組換えがおこったと考えられるプレC/C遺伝子領域配列の4.5%)にみられ、そのうち7塩基(6アミノ酸。この領域がコードするアミノ酸配列の2.8%)が非同義置換であった。肝疾患の病態との相関について調べたところ、無症候性キャリア、慢性肝炎、肝硬変、肝がん患者いずれから得られたHBVでも、同様の遺伝子組換えを有する変異株であった。興味深いことに、肝硬変や肝細胞がんの患者から得られたHBVでは、無症候性キャリアや慢性肝炎患者と同様の通常のHBV株以外に、HBc抗原のC末端領域に特定のアミノ酸変異を有するHBV変異株の混在する症例が有意に多く認められた。 2.C型肝炎ウイルス(HCV)の解析:インドネシアのHCVのNS3蛋白アミノ末端領域の二次構造について解析し、我が国で肝がん発症との相関が高いと考えられるサブグループB1-1のHCV株が全症例の2/3近くに見いだされた。また、我が国には見られないサブグループのHCV株も多数見いだされた。肝がん患者と非がん患者の間では統計学的に有意差は見られなかったが、インドネシアではHCVによる原発性肝がんの発生が非常に多い事と関連して、今後さらに検討する必要があると考えられた。一方、NS5Aの解析においては、我が国の肝がん患者由来HCV株では、NS5Aのインターフェロン(IFN)感受性決定領域(ISDR)に4ケ所以上の変異を有するものが多くみられ、これらのHCV株はIFN感受性である可能性が示唆された。
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