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2004 年度 実績報告書

熱帯におけるヒトロタウイルスの生態解明と予防戦略への展開

研究課題

研究課題/領域番号 16406016
研究種目

基盤研究(B)

研究機関長崎大学

研究代表者

中込 治  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70143047)

研究分担者 有澤 孝吉  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30203384)
中込 とよ子  秋田大学, 医学部, 助手 (40155693)
キーワード熱帯国 / ロタウイルス / 下痢症 / 症例の年齢分布 / 電気泳動 / 混合感染 / ワクチン
研究概要

ロタウイルスワクチンは先進国での疫学調査に基づいて開発されてきたが,熱帯諸国のロタウイルスの生態は先進国と大きく異なる可能性がある。本研究の今年度の目的はネパールにおけるロタウイルス感染症の発生状況を把握し,同地において優勢を占めるロタウイルス株の性状を明らかにすることである。同国内に共同研究者とともに,現地で検体の採取,保存,ELISAによるウイルス検索を行い,さらに疫学調査を行えるよう技術指導を行った。これにより継続的な研究拠点を形成する足がかりを築いた。カンティ小児病院(小児外来患者)とスクララージ感染症熱帯病病院(成人入院患者)における下痢症患者から456検体(小児患者397,成人患者59)を採取し,小児患者では20%に相当する80検体,成人患者では8.5%に相当する5検体からロタウイルスを検出した。とくに成人患者のうち4例は20〜59歳の青壮年層であり,ロタウイルスがこの年齢層においても下痢症入院の原因となっているという新知見が得られた。また,ロタウイルスによる小児下痢症患者の年齢分布を解析したところ,6ヶ月から11ヶ月の罹患が全体の28.8%でもっとも多く,1歳の26.3%,2歳の18.8%がこれに次いでいた。ワクチンによる予防の対象となりえない6ヶ月未満はわずか7.5%である一方,ワクチンによる予防の対象となる6ヶ月から3歳に達するまでの年齢層が全罹患の74%を占めていた。この知見はロタウイルスのワクチン導入にあたってきわめて有望な期待を持たせるものである。また,ネパールにおけるロタウイルス株の性状をポリアクリルアミドゲル電気泳動によるelectropherotyingにより解析した予備的結果から流行株が非常に多様性に富んでいるにもかかわらず,予測に反して2つ以上のロタウイルス株による混合感染がまれであることがわかった。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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