研究課題
基盤研究(B)
アジア地域でのHIV-1感染症の特殊性をタイのチェンマイ大学を共同研究の拠点として解析を行なった。タイには既に60万人の感染者がおり、その内2万人は子供である。HIV感染児では、大人より病気の進行が早く、治療効果の判定や薬剤の副作用の判定が早くできることがある。チェンマイ近郊には、HIVに感染した孤児を世話している国営の施設があり、経過観察や治療は、もっぱら国立病院やチェンマイ大学で行っている。文橡者の定期的な検査とその病態の関連をウイルス学的に解析してきた。このようにHIV感染小児の病態を解析しやすい体制を整えることができた。抗酸化物質にヒトのがんの発症を抑制する働きがあることが、多くの疫学的論文で報告されている。一方酸化ストレスやTNFαが、HIV-1感染症などの慢性感染症でウイルスを活性化させ、病気の進行を促進すると考えられている。抗酸化作用を持ち、TNFαを阻害する緑茶抽出物やアスタキサンチンなどの抗酸化剤は、HIV-1感染症の進行を抑える可能性が考えられる。これらについて介入的疫学研究を行う準備をしている。我々は、HIV-1感染の新しいコレセプターとして新しいコレセプターを同定し解析した。日本人感染者、タイの感染児の抹消血を用い、経時的に解析し、新しいコレセプターの臨床的、疫学的の意義を明らかにした。すなわち、HIV-1感染の新しいコレセプターとして、D6,CCR9b, XCR1およびFML1を同定し、解析を始めた。D6は、日本人血友病患者由来のsubtypeBのdual-tropic HIV-1、FML1はタイ、ベトナム由来のsubtypeAEおよびCのウイルスで利用した。これまでの研究期間の間に、タイの規則が厳しくなり、タイ人の試料は,許可なしには持ち出せず、国外持ち出しの手続きに長時間かかるようになった。緑茶抽出物をHIV感染者に投与するには、チェンマイ大学の倫理委員会に書類を提出しなければならないが、審査を受けるのに非常に時間がかかることが明らかとなった。現在手続きを進めている。
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