本年の主な研究実績は、グラフのフィードバック頂点集合、本型埋め込み及びde Bruijnグラフ上のマルチソースブロードキャストに関するものである。 1.グラフのフィードバック頂点集合に関しては、cube-connected cycles及びtrivalent Cayleyグラフの最小フィードバック頂点集合を求め、2進一般化de Bruijnグラフについては、下界と一致しない場合の存在及び位数が150までの最小フィードバック頂点集合を与えた。 2.trivalent Cayleyグラフの本型埋め込みについては5ページに埋め込み可能であることを示した。また、trivalent Cayleyグラフの結果と関連してcube-connected cyclesの本型埋め込みのページ数に関する既知の結果を大幅に改善した。 3.de Bruijnグラフ上のマルチソースブロードキャストに関しては、マルチソースブロードキャストというモデルを提案し、de Bruijnグラフ上でcycle-rooted treeを用いたブロードキャストスキームを構築し、効率について解析結果を与えた。 上記の結果に加えて、現在検討が進み、来年度につながる成果として、故障診断のLSIのテストへの応用とCayleyグラフの方法を使ったButterflyの一般化があり、共に工学的な応用を検討している。
|