研究課題
基盤研究(C)
可逆コンピューティングは、量子コンピューティング等と共に将来の計算機の可能性を探るための計算モデルとして非常に重要である。本研究ではそのような観点から可逆計算機構の理論的研究を行い、以下の成果を得た。1.2状態3入出力可逆論理素子の論理万能性これまでの研究により2状態4入出力可逆論理素子「ロータリー素子」の論理万能性を与えたが、本年度はそれよりも単純な2状態3入出力可逆論理素子について研究した。そのような素子は合計で720種類あるが、それらを同値類に類別することにより、本質的に異なるものが14種類あることを示した。さらにそれらの各々から、既に論理万能性が知られているFredkinゲートを構成できることを証明した。この結果、2状態3入出力可逆論理素子はすべて論理万能性を有することが明らかになった。2.ロータリ素子のディレイ・インディペンデント回路による構成法ロータリー素子は、論理ゲートのような信号の同期を必要としないという有用な特性を持ち、適切な設計により、信号の遅延が一定でなくても正しい動作をする回路を構成できる。本研究では、より単純な基本素子をもとに、ロータリ素子をディレイ・インディペンデント回路として構成する方法を与えた。3.計算万能性を有する保存的セルオートマトン可逆性と共に重要な物理的性質である保存性を持つようなセルオートマトンについて研究し、1次元の保存的セルオートマトンが計算万能性を有することを構成的に証明した。
すべて 2005 2004
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