研究課題
基盤研究(C)
物理学における可逆性原理は物質の微視的な挙動を記述する基本法則の一つであり、原子・分子のレベルで起こる物理現象を直接的に演算に用いて高集積度のコンピュータを構成しようとしたときに重要となる。可逆コンピューティングはこのような視点から考案された理論的枠組みである。本研究の代表者は、1980年代の末より20年近くにわたり可逆コンピューティングの基礎的研究を続けており、平成16-19年度は本補助金により以下の成果を得た。1.論理万能性を有する単純な可逆論理素子2状態3入出力という非常に単純な可逆論理素子14種類がすべて論理万能性を有することを証明した。2.万能可逆チューリング機械の小型化万能可逆チューリング機械のサイズを17状態5記号にまで小さくできることを示した。3.計算万能な可逆セルオートマトン計算万能性を有する単純な1次元可逆セルオートマトンで30状態のものが存在することを証明した。4.可逆セルオートマトンと論理回路における非同期性2種類の単純な非同期論理素子からなる回路により同期可逆セルオートマトンが簡潔に実装できることを示した。5.計算万能な双曲空間セルオートマトン双曲空間中のセルオートマトンの計算能力を研究し、計算万能性を有する5状態のモデルを示した。6.可逆コンピューティングの体系化可逆コンピューティングの諸モデルの関係を明らかにし、理論の体系化を行った。
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