本年度は共通トレース形式の決定のための研究を中心として、トレース生成や利用に関する基礎的な研究を行った。 具体的には以下の項目である。 1 XMLに関する調査。 関数呼び出しのネスト構造を自然に反映させる表現法について検討した。その結果、複数スレッドが存在する場合にはネストの関係が入り混じるため適切な表現ができなくなるという問題点が明らかになった。これについては、スレッド毎の表現に分ける方針とした。 2 トレース利用システムの実装と評価。 実行トレースを視覚的に提示するシステムETVを作成し、代表者が担当する授業において実際に受講者に利用してもらい評価を行った。また、それに関する論文を国際会議に投稿し採録となった。さらに広く公開して使ってもらうために、アプレットとして動作するバージョンを作成した。 3 対象言語の拡大 教育用言語として広く利用されているPascalについても同等のトレースを生成するための研究を行った。Dbxというこれまでと異なるデバッガを使用することからの問題点が明らかになったが、一定の成果は得られた。
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