研究課題/領域番号 |
16500023
|
研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
横田 隆史 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (90334078)
|
研究分担者 |
馬場 敬信 宇都宮大学, 工学部, 教授 (70092616)
大津 金光 宇都宮大学, 工学部, 助手 (00292574)
|
キーワード | 並列計算機 / 相互結合網 / 大域的挙動理解 / 動的最適化 / メタレベル計算原理 |
研究概要 |
本研究は大規模並列システムでの相互結合網を主たる対象とし、システムの挙動を第三者的に観測する機構を持つことで全体として最適な制御を行うことを目標としている。並列プログラムは、各ノードでの計算と、ノード間の通信により成り立つことから、ノードでの挙動把握技術、ノード間での通信の技術の2つの方面からの検討を行った。 前者については、プロファイリング技術の検討、マルチスレッド化技術の検討、また、投機手法についての検討を進めた。後者については、まず、本研究がベースとしているCross-Line方式の詳細検討を進めた。他の方式との比較を行ったほか、最適な設計パラメータを求めるための基礎評価や、転送制御の特徴を表すため結合網の内部状態を可視化を行った。その結果、Cross-Lineは系内が局所的に輻輳している状況で良好な性能を出すことがわかり、本研究の大きな目的である大域的な挙動理解に近づくことができた。Cross-Lineについては、転送パターンとの適合性の検証等を中心に改善を検討していく。 さらに、ノード内の計算挙動・ノード間の通信挙動の把握を一元化して行うことが肝要であるとの認識に至り、実験・評価環境の構築に着手した。既往のツールは本研究の目的に適合したものがなく、複数のVLIWプロセッサを相互結合網で接続する形態のシミュレーション環境を目指す。また、広域通信を伴うシステムにおける問題も扱った。システムのスケーラビリティを確保するために、情報の分散配置と効率的な収集を行う通信系を考案しFONetとして提案した。また、巨大システムに伴う信頼性の問題の解決を図ったGrid向けシステムEagleの提案を行っている。 これらの研究の成果は、2編の学協会誌論文、5編の国際会議論文、2編の国内シンポジウム論文(1編は査読付き)、ほか、14編の口頭発表論文として公表している。
|