研究概要 |
本年度は,階層的なマクロデータフロー処理の実装対象となるSMPクラスタのテストベッド環境を整備するとともに,方式の理論的基盤を確立した上で必要最小限の機能を有する階層的なマクロデータフロー処理をSMPシステムに実装し方式の評価を行った.詳細は以下のとおりである. -タスク間のデータ依存と制御依存を解析し,タスク間の並列性を表現する実行開始条件を求めると同時に,タスクでアクセスする変数に対する「データ到達条件」を求めるためのアルゴリズムを開発した. -ハードウェの階層的な並列性とプログラムに内在する階層的な並列性を調和させるための方式の検討を行った. -SMPクラスタのテストヘッドを導入しOS,ミドルウェア(Score),通信パッケージ(MPI),コンパイラ(Ommi OpenMP),TreadMarks,JIAJIA等の環境を整備した. -SMPクラスタ上にマクロデータフロー処理を実装するための論理的な枠組みを決定し,本実装に先立って予備実装を行い正しく動作するか検証した. -マクロデータフロー処理のスケジューラに「データ到達条件」に基づいて通信コードを起動するための機能を実装した. -必要最小限の機能を有する階層的なマクロデータフロー処理をSMPクラスタに実装するとともにテストプログラムを用いて正しく動作していることを検証した. -既存の各種ベンチマークプログラムにより本方式による並列処理効果の評価を行い,達成された点と問題点を明らかにした. -中間成果を論文として発表した.
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