研究概要 |
本年度は,昨年度に行った階層的なマクロデータフロー処理の実装をさらに進め,評価を行うとともに,今後の研究の発展性について検討を行った.詳細は以下のとおりである. -タスク間のデータ依存と制御依存を解析し,タスク間の並列性を表現する実行開始条件を求めると同時に,タスクでアクセスする変数に対する「データ到達条件」を求めるためのアルゴリズムを備えた並列化方式の実装の問題点を精査し,実行時の並列処理オーバーヘッドをできるだけ削減する実装方法を検討した. -マクロタスク生成に際し,並列処理オーバーヘッドの影響を削減するため,最適なタスク粒度を決定するための方式について実装と評価を行った. -階層的なマクロデータフロー処理機構のSMPクラスタ上での実装における,「データ到達条件」を用いる方法と「ソフトウェアDSM」を用いる方法についての,昨年度の両方式の並列処理効果の評価に基づいて両者の方式を融合する方法についてその可能性と方式を検討した. -マクロデータフロー方式において,その並列処理性能を向上させるためにはユーザがソースプログラムを最適化するための必要性が明らかになったため,その方式を検討し,その一部を並列化支援ツールiPat/OMP上に実装した. -成果を論文として発表した.
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