研究概要 |
本研究ではユビキタスコンピューティングを実現するためのモデルについて比較検討を行う.またオントロジーを知的エージェントによって取り扱うためのフレームワーク設計を行い,試作システムの構築を実現する.この試作システムの構築と利用により,ユビキタスコンピューティングを普及させるために必要な機能モデルを明らかにする.様々な計算モデルが提案されている中で,計算機資源が偏在し,利用者はそれら計算機資源に対して,透過的に利用可能な計算モデルとしてエージェントモデルを対象とした研究を行う. 本年度はユビキタスコンピューティングを実現するためのモデル設計を行い,モデル設計を経て実装設計を行なうことを主たる研究計画としていた.本年度は以下の4項目を構築し,研究発表を行った. 1.ユビキタス環境のモデル:ユビキタス環境のモデルをプロセス代数を基礎として構築した. 2.ユビキタスサービスのモデル:ユビキタスサービスのモデルをエージェント指向で構築することによって,利用者指向でサービスを実現するモデル構築を行った.モデルの構築には,我々が研究開発してきたADIPSフレームワークを用いた. 3.ユビキタスエージェントの通信言語:ADIPSフレームワークの実装形態であるDASHフレームワークのACLをユビキタス環境/ユビキタスサービスのモデルに適合するために設計を行った. 4.ユビキタスエージェントのアーキテクチャ:DASHフレームワークに対し,ユビキタス環境のモデル,ユビキタスサービスのモデル,新たに定義するACLを処理可能なエージェントアーキテクチャを設計した. 5.アプリケーション:在宅勤務を行うテレワーカーと,テレワーカーに仕事を発注する企業との間のマッチメイキング(ジョブマッチメイキング)を行うシステムの設計を行った.
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