研究概要 |
平成16年度に設計した,ユビキタス環境のモデル,ユビキタスサービスのモデル,ユビキタスエージェントの通信言語,ユビキタスエージェントのアーキテクチャに基づいて,プロトタイプの試作を行い,ユビキタスコンピューティングを実現するエージェントフレームワークの評価実験を行った.具体的には,以下の3項目からなる. 1.エージェントフレームワークと開発環境の構築研究 平成16年度に設計したエージェントアーキテクチャとその通信言語を実装し,エージェントフレームワークの構築研究を行った.このフレームワークの構築研究は,エージェントのリポジトリ,実行環境,通信基盤の4項目からなる機能モジュールを新たにユビキタス環境のモデルに合わせて再設計することにより実現した.リポジトリ型エージェントフレームワークの特徴を生かしたインタラクティブ開発方法論に基づく開発手法が可能となり,また実験によりその有用性の検証を行った. 2.フレームワーク評価実験 ユビキタス環境下に応じて,Webで発信される情報を個別化し,利用者指向の情報提供を行うWeb適応システム(Web情報の個別化を実現するシステム)を開発し,フレームワークの有効性の評価を行った.利用者のさまざまな要求変化に応じて,適切な情報を提供できるシステムが構築可能であることを確認した. 3.店舗情報推薦システムの開発 ユビキタス環境下において,店舗情報を推薦するシステムの開発を行った.協調フィルタリングとコンテクストアウェアネスとを組み合わせて利用者の嗜好データを獲得することにより,利用者に対する推薦精度を向上させることを特徴とする.また情報提供の方式を携帯端末へのPush型とすることでショッピングモールを回遊する利用者への利便性を高め,操作負担を軽減させる.
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