研究課題
情報システムは、クライアントサーバモデルから対等な(peer)複数のコンピュータが相互接続された対等分散(P2P : peer-to-peer)モデルに変化してきている。P2Pシステムでは、パソコンを中心とした数千〜数十万のコンピュータがインターネット等の高速ネットワークで相互接続され、データとプログラムがどのコンピュータにも配置できる。こうしたシステムでは、従来からの集中型による管理は困難であり、各コンピュータが自律的に処理を行っていく分散型の新しい構成論、制御方式、管理方式、信頼性、性能等の評価基準等が必要となってきている。本研究では、多数の対等なコンピュータ問で協調動作を行うために、自律的コンピュータの副グループが互いに協調動作を行う分散型方式を考え、さらに最適性、信頼性、可用性、障害、性能等の概念の再検討を行った。特に、これらを各コンピュータが提供するサービスの品質(QoS)として体系化を行った。本年度は、まず、自律的なグループコンピューティングシステムの基本アーキテクチャを明確にした。システムを、ネットワーク層、システム層、アプリケーション層の3層とし、各層でのプロセス及びエージェントの役割を明確にした。ネットワーク層では、ギガビットネットワークを基本とし、TCPおよびUDP等の基本的な通信サービスを提供するためのプロトコルを設計した。システム層では、ネットワーク層の基本通信サービスを利用して、膨大な数(数千〜数十万)のプロセス間でのマルチメディアデータを、高信頼で高速にグループ通信を柔軟に行うためのグループ通信プロトコルを設計した。アプリケーション層では、自律的なエージェントがグループ通信サービスを用いてP2P上でのデータオブジェクトの操作を行うための方式を提案した。各層の役割を明確にし、これらを用いた自律的なグループ通信プロトコルの設計を行った。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (8件)
International Journal of High Performance Computing and Networking (IJHPCN) (採録決定済み)
International Journal of Wireless and Mobile Computing (IJWMC) (採録決定済み)
Journal of Applied Systems Studies (JASS) Vol.5,No.2
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Journal of Interconnection Networks (JOIN) Vol.5,No.2
ページ: 181-191
Journal of Interconnection Networks (JOIN) Vol.5,No.3
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Concurrent Engineering : Research and Application Journal (CERA) Vol.12,No.3
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