研究概要 |
本研究では,TwinVQで圧縮された楽曲圧縮データを対象とした,楽曲データマネージメントシステムのプロトタイプシステムの構築を行い,その性能評価を行う.本年度の目標は,1)楽曲検索に用いる特徴量の検索性能の評価を行い,提案する特徴量が検索に用いることが可能かどうかを示す,2)楽曲から音楽的に意味のある区間(小節,段など)に分割するための楽曲基本情報の抽出し,抽出した情報を用いた楽曲分割アルゴリズムを提案する、ことであった. 目的1に対して,我々はTwinVQ圧縮過程において算出される自己相関係数を用いた楽曲検索システムのプロトタイプを構築し,検索実験を行った.その結果,自己相関特徴係数を用いることにより,ビットレートに対して頑強な検索が実現可能であることが分った. 目的2に対して,我々は自己相関係数の時系列から1小節の長さを抽出する節長抽出アルゴリズムを提案した.本節長抽出アルゴリズムは,拍や拍子を抽出する必要がなく直接楽曲を小節などに分割できるという特徴を有する.本節長抽出アルゴリズムを実際の楽曲データ64曲に適用したところ,61曲から音楽的に意味のある長さ(節長,半節長,倍節長)を抽出した.すなわち,95.3%の楽曲から音楽的に意味のある長さを抽出した.さらに,抽出された節長を基に楽曲を分割し,分割された自己相関係数列の各部分系列を節として取扱うことにより楽曲の構造が分析可能であるかどうか検討した.
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