研究概要 |
携帯情報端末の向きによる情報空間ナビゲーションと,情報空間内の3次元オブジェクトの手指による操作とを統合したプロトタイプを作成し,評価実験を行った. (プロトタイプの作成) 3軸角加速度センサーにより携帯情報端末の向きを検出し,超音波センサーにより端末と他のデバイスとの距離を測定して,情報をやり取りする対象デバイスに向けてユーザが携帯情報端末を向けたまま近づけることにより対象を選択する手法を実装した.さらに,ユーザが目的の情報オブジェクトを見つけ出す際,携帯情報端末の向きを変化させることによって,自身あるいは選択したデバイスが保有する3次元情報空間内を閲覧する手法を実装した.さらに,ユーザの手指動作を検出するためにビデオカメラを携帯情報端末に付加している.検出手法の実装にあたって,ユーザが把持している端末の背面側,すなわち端末から見てユーザとは反対側にビデオカメラを向け,そのビデオカメラが向いた方向でのユーザの手指の動き,すなわちユーザ側から見て端末背面での手指の動きをビデオカメラで捉え,画像処理によって,手指の動作,具体的には「(情報オブジェクトを)つまむ」,「離す」,および「移動させる」という動作を検出できるようにした. (評価実験) 作成したプロトタイプによる評価実験の結果より,手指ジェスチャを用いた3次元情報オブジェクトの移動はボタン操作に比べてより直感的であるということが分かった.また,携帯情報端末の向きによる3次元情報空間閲覧手法は直感的であることが分かった.さらに,これらを統合した閲覧・操作手法について,従来手法であるGUIとの比較実験を行ったところ,統合手法が従来手法に比べて直感的な操作インタフェースであることが分かった.
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