研究課題
本研究では、絵本を素材とし、登場人物/モノだけでなく、絵本に表現されている物語性という意味背景に踏み込んだメディア理解を実現し、絵本を自動生成する機構の構築を目指した研究・開発を行う。昨年度、絵本の画面展開の文法として認識されている幾つかの項目を取り上げ、その作用や意義などについて工学的視点から整理し、段落ならびに主人公・キーアイテムを自動的に判断する手法を考案しており、本年度は、研究目標達成に向けて、次のような拡張研究を行った。1)昨年度、段落ならびに主人公・キーアイテムを自動的に判断する手法を明らかにしたが、表面的かつ断片的な知識を利用しているに過ぎない。更に一歩踏み込んで、物語文章に含まれる意味レベルの解析を推し進め、段落および主人公・キーアイテムを自動抽出する能力・精度を高めるための新しい手法を考案した。2)絵本として物語を人間に提示するにあたり、人物動作を表す単語の類型化を行い、それぞれのカテゴリごとに具体的な所作イメージを具象化した。また、映像の形式化に向けたメディア処理・記述について研究を行った。3)情報を適切かつ的確にユーザに伝えるためのデザイン技法について多角的に検討するとともに、実装する機能の有効性を評価するためのユーザ評価手法について検討を開始した。プロジェクト最終年度に向けて必要な技術を着実に積み重ねており、これまで得た知見及び技術を統合して来年度はひとつのシナリオの下で機能するシステムの完成を目指す。
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情報処理学会 コンピータビジョンとイメージメディア研究会 No.152
ページ: 129-136
Proc., International Conference on Active Media Technology
ページ: 51-56
Proc., IEEE International Symposium of Multimedia
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