研究概要 |
研究者自身の経験と手作業に大きく依存している人文学研究を高効率に支援する技術の構築を目的として,3次元モルフォロジィ技術と進化計算原理を融合した新たな仮想環境構築法について研究開発を行っている。平成16年度は,下記の要素技術の研究開発とシステム化,および実験・評価を行った。 1.3次元形状入力法とデータベースの設計および開発 実物体を非接触型レーザスキャナで高精細にディジタル化し,ネットワーク上で管理・共有・検索が可能な3次元データベースシステムを設計・開発し,ネットワーク上での利用実験を行った。 2.進化的3次元モデル補間演算原理の考案・実装 1.のデータベースで管理される3次元データの形状変形を進化原理に基づいてシミュレーションする手法を考案し,Java言話でシステムを開発した。また,触力覚フィードバック装置を用いて仮想物体に触ろうとするときに,現実感のある触力覚系情報を進化的に探索・発見できる手法を開発し,C++言語によってシステムを開発した。 3.超高速ネットワーク向けプロトコルの開発と実験システムの構築 1.および2.で開発したシステムをネットワーク上で効率よく共有・運用するために,触力覚系情報や大容量3次元データをリアルタイムに共有可能な高信頼化マルチキャスト通信およびQoS機能を設計・開発した。さらに,同プロトコルを利用した実験システムを実際のネットワーク上に構築した。 4.実験・評価と研究の中間まとめ 上記の研究開発内容と3.の実験・評価結果をまとめて,情報処理学会DICOMOシンポジウム(7月)やIEEE SMC2004国際会議(オランダ,10月)等,国内外の著名な学会で成果発表を行い,専門家からのレビューを受けるとともに,機能強化のための意見や示唆を聴取した。
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