研究課題
画像圧縮の国際標準規格の一つであるJPEG2000を中心に、圧縮された画像データの通信路誤りの訂正に関する基礎的研究を行った。本研究の特徴は、国際標準と互換性を維持した形式で、通信路誤りの訂正能力を向上することになる。本年度の主な成果は次の通りである。1.JPEG2000のマーカコードが、国際標準との互換性維持のために有効に機能することを確認したこと。2.インターネット通信に代表されるデータのパケット分割と、その場合の通信路誤りに相当するパケットロスに対しても提案法が有効であることを確認したこと。3.インターネットの通信プロトコルとしてRTPを調査し、本研究の目的達成のために、その機能を拡張する必要があることを確認したこと。4.符号化画像のレイヤー構造が、誤り訂正と互換性維持のために有用であることを確認したこと。5.提案法が、誤り訂正能力みならず、低遅延な通信システムの実現のためにも有効であることの示唆を得たこと以上の成果を幾つか国際会議で発表し、多くの研究者から多角的な意見を頂いた。今後は、さらに種々の通信路環境において提案法の有効性を検討し、画像圧縮方式・誤り訂正符号・通信路環境の相互関係とその最適な組み合わせについて研究を進める予定である。さらに、国際標準規格と互換性を有するという本研究の特徴の、種々の応用分野における有用性を調査し、今後の課題を考察する予定である。
すべて 2004
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