研究課題
基盤研究(C)
本プロジェクトは車椅子利用者を当初の対象とし、地域のバリア情報を始めとする様々な地域情報を、そのような情報収集のためのソフトウェアを搭載した機器から入力し、蓄積することによって地域情報を共有することを目的としたものである。その結果、(1)常に新しい情報をほぼリアルタイムで収集することが可能になること、(2)地域情報の共有化が可能になること、そして(3)収集される情報を多様化することによってバリア情報に限らず、様々な地域情報の電子化し、共有することを狙っている。こうした機能はバリア情報に特化した場合、リアルタイムに近い形でバリア情報を収集することができ、改版に多大な工数を要するバリアフリーマップを容易に作製・改版することができるとともに、工事や時刻に依存した放置自転車の情報など、時間を限った情報も電子地図の形態で蓄積することができるといった特長を持つことができる。地域情報獲得・表示のためのソフトウェアを搭載した機器を搭載した車椅子を作成し、実際にNPOによるバリアフリーマップを作製するための情報収取の場に持ち込み、基本的な機能の評価を行った。その結果、細かい修正点はあったものの、基本的な機能として充分その役割を果たすことができると確認された。また、収集・蓄積された情報の信頼度に関する研究を実施し、独自の方法を案出することによって、人間の直感的な信頼度評価に近いモデルを実現することができた。本システムをさらに発展させ、実用化させていくための残された課題として、(1)複数利用者間の情報の共有を行う機構を実現すること、(2)常に更新される地域情報データベースをどのようにしてプル型の仕組の中で提供していくかの仕組を実現すること、そして(3)複数利用者が共謀して誤った情報を蓄積させようとした場合、どのようにして情報の信頼度を担保するか、がある。
すべて 2006 その他
すべて 雑誌論文 (2件)
人工知能学会誌(Webページに掲載)http://joi. jlc. jst.go. jp/JST. JSTAGE/tjsai/21. 276?lang=ja 21・3
ページ: 276-286
Journal of Japan Society of Artificial Intelligence vol.21, No.3 (presented on a web page : at http://joi. jlc.jst.go. jp/JST. JSTAGE/tjsai/21. 276?lang=ja)