研究概要 |
(1)ステレオによる頭蓋部の形状計測 このテーマはステレオ画像計測の技術を応用し,口腔外科の診療や手術時に必要となる,患部の部位の長さや形状の計測を行うことである.昨年度制作した計測システムを改良し,計測精度と使い勝手の向上を計った.またこのテーマから派生した,手術時に骨を固定する冶具を作成したが,骨の保持方法に問題があったのでこれを改良した.現在は実使用での有効性を検証している状況である. (2)レントゲン写真による頭蓋骨の形状測定 基準物体と呼ばれる直方体のフレームを写し込んでレントゲン写真を撮ることにより,X線源の位置をレントゲン写真から計算し,それに基づいてステレオ視を行うことで,頭蓋部の特定部位の3次元位置を計測する手法である.この手法は十分有効であることが分かったので,国際特許を出願すると共に,国際学会で発表した.さらに国内の学会の論文誌に投稿し,掲載された. (3)民生用デジタルカメラによる皮膚の色の計測 一般的な民生用デジタルカメラでは色の計測器としての再現性が得られないので,いくつかの色パッチを同時に撮影することで,色を再現する方法の検討と実験を行っている.また,これとは別の方針として,医療用のマルチスペクトルカメラの開発を検討している.これに関連し,スペクトルフィルタの使い方に工夫を凝らすことによって,短時間で撮影を行えるいくつかの方法を考案し,一つは国際特許として,もう一つは国内特許として出願した.
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