研究分担者 |
鳥脇 純一郎 中京大学, 生命システム工学部, 教授 (30023138)
目加田 慶人 中京大学, 生命システム工学部, 教授 (00282377)
村瀬 洋 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90362293)
森 健策 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (10293664)
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研究概要 |
本研究は、3次元濃淡画像から得られる情報を人や計算機が認識しやすくするための画像生成に関する技術開発を行っている。人は通常3次元の濃淡・形状情報は直接見ることが出来ず、投影や等値面構成など、情報をなるべく保ったまま次元縮退をする手段を経て可視化され、さらにこれらの情報を効率よく見る(診る)必要がある。このような可視化プロセスを適切におこなうための"可視化情報処理"は重要な基盤技術である。 本年度は、3次元の筒状形状を内部から見る際のユーザガイドに関する検討を行った.具体的には,腹部X線CT像をもとに計算機による胃壁面の自動区分を行う手法および,区分情報のナビゲーション診断への応用について検討した.仮想化内視鏡システム(Virtualized Endoscope System : VES)による診断では,複雑な臓器を効率よく観察することが,観察者の負担を軽減する上で重要である.そこで,胃内壁の解剖学的部位の定義として用いられる胃の区分(ストマップ)を用いて,3次元腹部X線CT像から抽出した胃壁面領域を区分し,その情報を用いたナビゲーション診断支援として,(1)VESでの観察時の胃の部位情報の提示,(2)VESでの観察経路の自動生成,(3)VESでの観察経路を評価する手法を開発した.CT画像から抽出した胃内壁面に対してストマップに基づく区分を実現し,10症例に適用した.区分結果は部分的には問題があるものの,ナビゲーション診断支援には利用可能という評価を医師より得た.得られた区分情報を利用し,情報の増強と効率的な提示という観点でナビゲーション診断支援を試み,診断中の部位名称を表示する機能に関しては,ナビゲーション診断中の解剖学的な位置情報や観察した領域の空間的な把握が容易になったとの評価を得ることができ,その有効性を確認することができた.また,CADシステムの結果をあわせて観察するための経路生成を検討した.
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