研究概要 |
[心身様態対応の動作理解・生成機構の具体化と2次被験者動作実験] 昨年度までに構成された「人間の認知模倣の動作理解機構」および「仮想マネキンの動作修飾機構」の3層からなる言語媒介コンピューティング基本フレームを踏まえ,これら機構について「固有空間法」「隠れマルコフモデル(HMM)」および「ショケ積分エージェントネットワーク(CHIAN)」を用いたアルゴリズム化を進めた。その有効性を更なる動作課題について検証するため,いくつかの日常的基本動作タスク,心身様態のレベルに対応する演技動作を数人の被験者に行ってもらい,モーションキャプチャによる動作計測データの取得,ビデオ映像による動作記録を行った。 [様相的動作理解・生成機構の実験的評価] 上記の2次被験者動作実験によって得られた動作計測データに,固有空間による動作特徴知覚,HMMによる様相認識,CHIANによる意味理解を行う「人間の認知模倣の動作理解機構」を適用した。実験の演技動作に込められた心身様態の同機構による推測結果の妥当性を確認するするとともに,一部,時間的様相動作の理解機構において更なる改善の必要性が明らかとなった。また,同実験データに「仮想マネキンの動作修飾機構」を適用し,与えられた基本動作タスク,様相要件に対応した仮想マネキンの動作を固有空間上での修飾操作により生成し,動画として観察者に呈示した。その結果,様相性の違いを動作特徴をとらえる固有空間上の軌跡の違いに対応させることで,所与の基本動作に意図する言語的様相性が付与できることを確認した。 [成果の取りまとめ] 平成16年度からの一連の研究成果について,国内学会,国際会議,学会誌等により公表を行うとともに,報告書にまとめた。
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