研究課題
基盤研究(C)
ソフトコンピューティング(SC)の実際問題への応用を考える際、特に重要となってくるのは、"非定常環境をいかに克服するか?"という問題であろう。私は、これまで長年に渡って、学習オートマトン(LA)とSCを適切に融合することが、この問題の一つの解決策を与えるのではないかと考えてきた。私は、上述の可能性の追求のため、以下の点に特に配慮した研究を遂行した。A)様々な非定常環境に十分に対応できるようなLAのアルゴリズムを提案すると共に、その学習的性能を理論的に示す。B)コンピュータゲーミングや株価予測、更にはロボットの迷路通過といった幾つかの具体的な問題への応用を通じて、融合方法やLAのアルゴリズムの有効性を検証する。そして、以下で示されるような成果を得た。1)非定常複数教師環境(NMTE)で動作する階層構造確率オートマトン(HSLA)の学習について考察した。そして、最も最近に得られた情報を活用する学習アルゴリズムを提案し、ある条件の下で最適パスへ収束することを証明した。2)更に、DGPAとSE_<RI>アルゴリズムをHSLAの学習アルゴリズムとして使用可能な形に拡張し、幾つかの具体的なNMTEにおいて、本研究で提案した学習アルゴリズムとの計算機シミュレーションによる比較を行った。そして、数多くの例において、我々の学習アルゴリズムがこれまでに提案された2つの代表的なアルゴリズムより学習的性能において優れた結果を示すことを確認した。3)NMTEにおけるHSLAの学習に関する理論的な研究と並行して、(強い非定常性を内包する)株価予測やコンピュータゲーミング等の具体的な問題に関して、ニューラルネットや遺伝的アルゴリズムの適用についての幾つかの研究成果を発表してきた。しかしながら、非定常環境を克服するための融合システムの構築の成功には至っていない。今後の課題としたい。
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