研究概要 |
本年度の研究計画は、(1)レンズ歪補正モデルを用いたカメラパラメータの高精度キャリブレーション法の開発、(2)市街地画像の領域分割と対象認識及びステレオマッチング法の開発、であった。 (1)に関して、平成16年度に導入したステレオカメラシステムは、レンズ歪が無視できるほどのレベルであったが、平行カメラ設定のためのアライメント補正(光軸の平行度のずれ)が必要であることが分かった。そこで、アライメント補正のための数理モデルを考案し、奥行き推定誤差を10%程度に抑えることができた。 (2)については、(L*,a*,b*)表色系に基づく色情報ベクトルに対して、k-平均クラスタリング法、多数決フィルタリング、領域ラベリングによる第1段階領域分割、さらに、空間周波数のウエブレット解析を適用し、空や道路などの低周波領域と建物などの高周波領域統に分割して、市街地画像から建物領域を抽出する方法を開発した。さらに、抽出された建物領域のエッジ画像に対して、適切な窓領域を設定したアテンションパラメータを構成し、シナジェティックステレオマッチングを適用した。その結果、マッチング精度は、既存のブロックマッチングや相関マッチングが90%強であるのに対して、95%強の高精度を実現した。最後に、2次元デジタル地図を併用し、市街地建物の3次元情報から建物平面の認識、建物を構成する複数平面の認識を行い、マッチ箱の大きさとその配置場所を推定するという簡易的な3D地図作製方法を開発した。以上の方法を、実際に撮影した市街地画像に適用し、その有効性を示した。
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