研究課題/領域番号 |
16500135
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
松井 伸之 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10173783)
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研究分担者 |
礒川 悌次郎 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70336832)
西村 治彦 兵庫県立大学, 大学院・応用情報科学研究科, 教授 (40218201)
FERDINAND Peper 独立行政法人情報通信研究機構, 関西先端研究センター, 主任研究員 (40359097)
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キーワード | 非標準計算論 / 潜在的機能発現 / 創造的情報処理 / ニューラルネットワーク / 強化学習 / 四元数 / 量子ビット / カオス |
研究概要 |
本研究課題では、潜在的機能の発現原理を数理的に追及し、次世代の創造的情報処理システムの開発研究を行うことを目指しているが、当該年度においては、その端緒を得るために、非標準計算論手法の検討に関する研究を実施し、主に以下の研究成果を得た。 (a)システムの複素数化並びに四元数化と非標準計算論の組み合わせがもたらす効果の検討:多元数体系導入がもたらす性能向上効果の中に、潜在的機能発現の機構が潜んでいないかを検討することを目指して、四元数及び量子ビットに基づいたニューラルネットワークを構築し、カラーナイトビジョン能力を有する色画像処理や符号化問題・データ分類などをベンチマークとして性能向上効果を評価した。 (b)非線形現象に起因する潜在的機能発現の検討:カオスや確率共振、引き込み、結合振動子などを考慮したニューラルネットワークの性能向上の効果や従来記述できなった問題に対する記述可能性から潜在的機能発現を議論した。また、強化学習におけるカオス導入がもたらす学習効果や強化学習スキームによる群行動の創発からも潜在的機能発現を検討した。 (c)局所的な相互作用からの潜在的機能発現の検討:非同期セルオートマトンを非標準計算論の観点から議論し、非同期セルオートマトン上で故障箇所の自律的認識と不活性化及び複製機能や障害物回避などの形成が可能な局所的規則を見出し、その中での潜在的機能発現を検討した。 さらに非標準計算論の理論形式の存在意義を、より高次の観点からも模索する計画であったが、これは今後の課題として残ったものの、(a)(b)(c)に関する研究成果の一部を国内外に発表し得た点では、当初の研究計画は達成したものと考えている。
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