研究課題
1.「テレビ映像・音声の可変速再生実験装置」の試作と"音声"を対象とした感性評価現行NTSC方式のテレビ映像と音声を完全に同期させた状態で0.5倍速〜2倍速まで実時間で可変速再生できる実験装置を試作した。平成16年度は、この装置を使用してテレビニュース音声を0.6倍速から2倍速まで10段階に可変速再生し、高齢者と若年者を対象にニュース音声が聞きやすい最適な音声速度を求めた。その結果、最も聞きやすいニュース音声速度は高齢者の場合には7.93モーラ/秒、若年の場合には8.81モーラ/秒となり、高齢者は若年者よりも多少遅い音声速度が聞きやすいことが分かった。また、ニュース音声の速度やピッチを可変した場合の感性情報をSD法を用いて実験した結果、音声の再生速度やピッチが変化すると音声から受ける印象が大きく変わり、聞きやすさだけでなく、快・不快などの感性情報に強く影響を与えることが分かった。さらに音声のピッチ変化と話者の個人性に関する実験から、話者の個人性に影響する音声ピッチ変化の許容限界、検知限界を明らかにした。2.カラー画像の見やすさを客観的に測定できる「カラーコントラスト・チェッカー」の開発人間の色覚特性は年齢によって変化するため、様々な年齢の人がカラー画像を見る場合、色の組み合わせ条件によっては明るさやコントラストが低下して見づらくなる。平成16年度は、最近JIS規格に制定された年代別相対輝度の定義に基づいて、10代から70代まで様々な年齢の人がカラー画像を見るときのカラーコントラストを客観的に測定できる「カラーコントラスト・チェッカ」を開発した。また、この装置をホームページ作成に使用されるWebセーフカラーの組み合わせ条件と見やすさの予測評価に応用した。開発したカラーコントラスト・チェッカは、高齢者ばかりでなく様々な年代の人々にとって見やすい視環境設計や評価、改善を行う上で利用価値が高いと考えられる。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (3件)
映像情報メディア学会技術報告(メディア工学研究会) Vol.29,No.17
ページ: 59-60
映像情報メディア学会技術報告(メディア工学研究会) Vol.28,No.42
ページ: 13-17
Proceedings of The 24^<th> International Display Research Conference (Asia Display' 04) 14-3
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