研究課題
1.テレビ映像の可変速再生実験装置による"手話映像"を対象とした内容理解度の検討最近はテレビ等でも、音声に加えて手話が取り上げられるケースが増えている。しかし、難聴になって日の浅い高齢者など、手話に慣れていない人にとっては手話のスピードが早すぎて、情報を受け取ることが難しい。一方で、手話に慣れている人にとっては、もっとスピードを早くしたいという希望がある。そこで平成17年度は聴覚障害者を対象に手話映像の好ましい再生速度を評価実験により求めた。その結果、好ましい再生速度は聴覚障害者の手話習熟度および手話映像コンテンツに依存することがわかった。この点に着目して、インターネット上で配信する手話映像のスピードを好みの早さに設定できるシステムを構築した。今回、3種類の手話映像コンテンツを制作し、基準速度および、その0.6倍速から1.5倍速まで5段階に速度変換した手話映像を日本工業大学のホームページ上で視聴できるようにした。この実験サイト(http://leo.nit.ac.jp/^-isono/sign-language/index.html)を視聴した聴覚障害者および健聴者からのアンケート結果によれば、このような可変速手話映像システムは便利で役に立つとの意見が多かった。2.テレビニュース音声の内容理解度と感性評価に関する検討昨年度に続いて平成17年度は、テレビニュース音声(女性)の再生速度を0.5倍速〜1.5倍速に話速変換した3種類の音声を聞かせ、高齢者および若年者に与える心理効果をSD法と主成分分析法によって解析した。その結果、高齢者および若年者ともに1.5倍速再生の場合には、「騒がしさ」、「疲労感」、「せせこましさ」などの因子が抽出され、0.6倍速再生の場合には「ゆっくり感」、「安らぎ感」、「じれたっさ」などの因子が抽出された。このことから、話速が遅すぎても、速すぎても評価が低下することが明らかとなった。また、男性アナウンサーの音声では高齢者と若年者に聞きやすさに差があり、女性アナウンサーでは聞きやすさに差がなかった。
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映像情報メディア、メディア工学研究会 Vol.30,No.17
ページ: 55-58
ページ: 17-18
ページ: 19-20
映像情報メディア学会、冬季大会 6-2