研究課題
基盤研究(C)
本研究は人にやさしい放送を実現するための基盤研究として、高齢者や障害者にとって聞きやすい音声や見やすい映像の提示条件を明らかにすることを目的として実施したものである。本研究の特徴は、テレビ映像と音声の提示速度を任意に可変速再生できるMPEGバリアブルプレーヤ装置を試作し、この装置用いて放送番組の映像や音声の提示速度を変化させた場合のテレビニュース音声の聞きやすさ、映像の見やすさ、内容の理解度などが高齢者や若年者に及ぼす影響を明らかにした。また、テレビニュース音声の話速が快・不快などの感性にかなり影響を及ぼすことから、SD法および主成分分析法などの主観評価実験を行うとともに、脳機能測定の新しいアプローチとして注目を集めている光トポグラフィ技術を用いて大脳皮質前頭葉における脳血流を測定した。さらにテレビ映像の可変速再生に対する内容理解度の検討、テレビ手話映像の可変速再生と読み取りやすさ、および内容理解度との関係について明らかにした。これらの研究成果を応用してインターネットによる可変速手話映像の視聴システムを実現した。一方、高齢者の場合、加齢効果によって色や明るさの感覚が若年者に比べて低下し、視覚対象物が見づらくなるため、光や色の計測技術においても高齢者の加齢効果への対応が求められることになった。この問題に対処するためにJIS S 0031に準拠して10代の若年者から70代の高齢者まで、様々な利用者が色彩画像を見た場合の視認性を客観的に評価できる年代別視覚コントラスト測定システムを試作した。また、このシステム応用してホームページ等の配色に広く使用されているWebセーフカラーを見た場合の見やすさを客観的に評価するためのカラーコントラスト・チェッカを開発した。
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すべて 雑誌論文 (12件)
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Proc. of the 24th International Display Conference (Asia Display'04) Vol.14-3