研究概要 |
本年度は,試験的に行ってきた感性パラメータ法に用いる検査用図形郡の特徴解析を行い,均一な情報を得るための条件について考察した。三角形や四角形,円などの単純図形およびボール&スティック図形や矢印などの方向性を持った図形を用意し,測定すべき感性パラメータが有意な範囲をもつように図形セットを調整することが出来た。これは,今後の実験において得られるデータの信頼性をあげるために不可欠であった。 観賞用の映像を作成し,パソコンよりモバイルプロジェクターで投影して鑑賞者に見せ,感性パラメータ法による感性情報の測定を行った。映像の作者と鑑賞者との作品に対する感性情報の違いについて調べた。その結果,同じような感性を受け取る場合には,従来の言語による調査と似た結果を得たが,言語による調査では明確にならない微妙な違いが感性パラメータで表現されている可能性を得た。 映像ばかりでなく,音楽ジャンルの分類に関する感性パラメータ法の有効性について調べた。その結果,ロックの中の細類およびPOPSにおけるグループ分けが可能なことがわかった。これらは,本研究の進行にとって有意義な結果を与えてくれた。 本年度,感性パラメータ測定用の環境およびそれらの評価が行われ,感性パラメータによる感性情報の測定においてまとまった実験が可能になってきたので,今後統計的およびrough setsなどを用いたグループ分けの研究を行っていく予定である。
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