研究概要 |
本年度は,感性パラメータをデータベース化し,(1)累積処理することによる解析,(2)それを応用した感性アプリケーションの試作を新たに行った。感性パラメータをベース値と変動値に分離解析することで,被験者の経時的な嗜好の変化および一時的な感性の変化をとらえることができるようになり,感性パラメータを解析する上で有意義な知見をえることができた。(3)前年度からの継続として,音楽ジャンルの分類に関する感性パラメータ法の有効性について調べた。その結果,ロックの中の細類およびPOPSにおけるグループ分けがかなり潜在的に納得のいく傾向で分離されることが示され,感性パラメータ法の有効性を示すことができた。具体的には,ロックの亜流分類を感性パラメータ法で測定した結果は,ロックに詳しい専門家が分類したものに極めて近似しており,曲のイメージが感性的に分類できることが示された。(4)感性パラメータを音を用いて行う,感性音パラメータ法のシステム構築も行った。今後,このように異種のデータ群であっても同じように感性を表現するならば,同一の尺度として表せるような原理の開拓が必要であり,これは,本研究を申請した目的の主たる目的によるものである。コンピュータ画面上で音・リズムを選択・調合し,対象となるものからうけた印象を表現してもらうシステムを構築した。(5)自由記述型の感性パラメータ法の開発では,ぬりえによる感性パラメータ測定方法をWebに搭載し,多くのデータ収集が可能な仕組みを整えることが出来た。
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