研究概要 |
(1)実験系の構築 (1)非発光型表示デバイスについては,照明光下の表示情報受容の良否を定量評価するため、電磁シャッタ制御による短時間視標呈示装置を作製.測定系は、シャッタ開閉時に被験者の目に入る光量が大きく変化しない順応輝度一定条件での視標認識正答率が計測できる. (2)発光型表示デバイスについては、ウオッシュアウトによる,有色彩表示像の認識特性低下を評価する短時間視標呈示装置を作製した. (3)各表示デバイスの表示像から放射される表示光を、二次元の空間周波数スペクトル分析用計測系を構築した. (2)評価実験 (1)非発光型表示デバイス表示像では,照明光の色相により表示像の認識特性(正答率)が異なるという発光型表示デバイスの特性と同様の「色相による知覚の不均一」の傾向が見られた. (2)多色蛍光表示管が,強い外来光下でウオッシュシュアウトする場合の表示像認識特性にも、分光視感効率とは逆特性となる「色相による知覚の不均一」が見られ,緑色の方が赤色より低い輝度で表示像はウオッシュシュアウトする. (3)ウオッシュシュアウト寸前の多色蛍光管表示像を,二次元空間周波数スペクトラム分析すると,面積の大きい表示セグメント部により抽出される空間周波数低周波数成分が全体ではドミナントであっても,セグメント内輝度斑による空間周波数高周波成分が認識特性に関与していることが分かった.特に,ウオッシュアウト寸前の蛍光表示管では,外来光が反射する部分と発光部とが近接するため,発光部を認識する「閾値が上昇する効果」を生じさせ,「認識できない・できる」を決定する空間周波数の遮断周波数を下げる方向に働くこと分かった. 以上の結果を速報的に電気情報関連学会,人間工学会等に発表した.
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