研究課題/領域番号 |
16500144
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
瀧井 幸男 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (70154937)
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研究分担者 |
高田 康孝 (高田 公理) 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (40154794)
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キーワード | 遺伝子検定 / アルコール耐性 / 生体生命情報学 / 麹菌 / 乳酸菌 / 腸内環境 / ゲノム |
研究概要 |
アルコール性飲料の摂取は、生活環境における「精神的な癒し効果」と「薬物的効果」という二つの側面をもつ。若年女性の飲酒に及ぼす遺伝素因と環境因子ならびに、その特性を具現する酒精の素材に関わる研究を行った。麹菌の遺伝子特性変異によるアルコール基材生産については、ヒトと環境に優しい麹菌宿主・ベクター系を開発した。 (1)食生活において、植物由来乳酸菌を食品材料から液体培養系にて単離し、網羅的遺伝子データー解析から、当該菌株を同定した。(2)思春期女子(平均年齢20.5歳)学生179名を対象として、爪の切り屑を遺伝子源として、アルデヒド耐性(ALDH2)及び肥満関連遺伝子を検定するとともに、アルコール飲料摂取行動について調査した。(3)ALDH2及び肥満遺伝子は、飲酒耐性型が65%、中間型が32%、感受性型が2%で、日本人に典型的な遺伝子型分布を示した。肥満関連遺伝子群のうち、β3アドレナリン受容体は肥満しにくいタイプが75%、肥満しやすいタイプが25%であった。(4)飲酒実態の把握:非飲酒者3.4%、飲酒しているが問題のない青年89.9%、将来の問題飲酒青年6.7%であり、極めて健康な群が構成されていた。(5)健康教育の時期:飲酒青年群では、10歳前後から飲酒体験をもつことが示され、中学・高校あるいはもっと早い時期から飲酒について健康教育を実施すべきである。(6)肥満予防では、思春期から青年期に重点的に適切な栄養指導を実施することが必要である。次いで若年女性の飲酒体験を抑制し、将来の生活習慣病発症を予防するためには、可能な限り早い時期での健康教育の実施と、遺伝子型検定を含む広範囲な調査手法と連携した科学的研究の推進が重要であると結論した。さらに、アルコール飲料と接する機会は、両親を含む身近な成人による影響(環境因子)が大きいことが本研究調査からわかった。
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