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2006 年度 実績報告書

人間の情報処理能力を基礎とした効率的な経済情報提示システムの提案

研究課題

研究課題/領域番号 16500155
研究機関大阪市立大学

研究代表者

橋本 文彦  大阪市立大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (30275234)

キーワード確率場面 / 最適戦略 / 情報処理能力 / マルチモーダル / 時系列データ
研究概要

平成17年度までに、視線位置追跡装置を用いて、時系列データに関する被験者実験およびそのデータの定量的な分析を行ってきた。また視覚のみでなく、聴覚や触覚などの異なるモダリティーに対して連続・高速に刺激を与えた場合に生じる「アテンショナル・ブリンク(注意の瞬目)」が人間の情報処理に与える影響について基礎的な実験を行ってきた。
本研究の最終年度である平成18年度には、以下の研究が実施された。
(1)2件の国際学会および1件のオンライン国際学会において、これまでに得られた成果を発表し、同種の研究を行っている他国の研究者から評価とコメントを得た。特に、被験者の置かれた環境によって数学的な判断を含めた意思決定に影響が見られる、という点について、その条件と今後の課題について質問と評価を受けた。
(2)従来被験者に提示してきた時系列データの提示システムを、より現実場面に近づけるために、本研究代表者が別途参加している研究グループによって開発された株式市場シミュレータを用いて、被験者実験を行った。パラメタが多いために、結果は複雑で、本実績報告時にはまだ解析中の点も多いが、多くのノイズを含んだデータに対して、被験者が迅速・安定・正確な判断を行うためには、提示される情報が多すぎないことが必要であるという点については、これまでの結果と一致したものであった。
(3)被験者の判断が正確であっても、最終的な反応操作が誤る、ということが少なからず見られた。この点を解消するために、視覚による時系列提示と手指からの反応に加えて、触覚および聴覚によっても情報を提示する実験を行った。また、被験者の反応に対して触覚によってフィードバックする実験を行った。マルチモーダルな情報提示によっては、被験者の反応は必ずしも改善されず、期待した成果は得られなかったが、触覚によるフィードバックは被験者の誤反応を若干改善した。
以上、人間がノイズを含んだ時系列データを提示された場合に、情報の精度や量はある一定量を超えるとむしろ正確な意思決定が困難になることが確認され、一定桁数で次々と提示される時系列に対する人間の情報処理の限界量が定量的に測定された。マルチモーダルな情報提示は、今回の実験内では必ずしもよりより結果を与えなかったが、誤反応に対する改善の場面では効果をあげる可能性がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] On what mathematics depends.2006

    • 著者名/発表者名
      Fumihiko Hashimoto
    • 雑誌名

      Workshop of economic heterogeneous interactiong agents 2006 Onling PDF(イタリア・ボローニャ)

  • [雑誌論文] The signpost of the brain sciense - Brain, Body and Environment.2006

    • 著者名/発表者名
      Fumihiko Hashimoto
    • 雑誌名

      New Economic Windows : from Tradition to complexity 2006 Online PDF(イタリア・カプリ)

  • [雑誌論文] Actual human calculations - Which differ from mathematical one- in a certain scene.2006

    • 著者名/発表者名
      Fumihiko Hashimoto
    • 雑誌名

      International Symposium on Knowledge Communication and Conferences. Online

  • [図書] 知的エージェントで見る社会3(第5章を担当執筆)2006

    • 著者名/発表者名
      橋本文彦(6名で分担執筆)
    • 総ページ数
      176
    • 出版者
      共立出版

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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